実際に講座を受講し、更にその後薬学部に入学した大塚 千賀さんから、当時の将来に対する想いや講座を受講してみた感想、薬学部に入学してからの頑張りや今後の目指す薬剤師像について語ってもらいました。



新潟薬科大学薬学部高大連携講座を受講して

新潟薬科大学 薬学部6年
大塚 千賀

実験装置を操作する古川さんの姿

 薬局で薬を買うとき、迷ったことはありませんか?1つの症状に対してたくさんの薬がありますが、有効成分が同じであっても効き方が違ったり飲みやすい工夫がしてあったりするものがあります。薬学部ではそれらが何故か、また飲みやすくなる技術や科学を学ぶことができます。私が薬学を学びたいと思ったきっかけは高校の化学で解熱鎮痛薬の有効成分として使われているアセチルサリチル酸の構造式を習ったことでした。それだけで薬の本質を知った気分になり、漠然と薬学部を卒業し白衣を着て薬の飲み方を説明する薬剤師の姿を想像していました。


薬学部への不安から受講を決めた「高大連携講座」

 私は薬学部には「勉強が大変」「実験が多い」というイメージがあり不安だったので、新潟薬科大学の「高大連携講座」を受講しました。その講座でたった一粒の薬にたくさんの知識や技術が詰まっていて、薬がどのように体に作用して効果をもたらすのか、副作用をできるだけ起こさないための使い方などの情報も含めて薬であるということを知りました。他にも薬を飲みやすくするコーティングの技術など、薬には様々な工夫が施されていることを学び、私はますます薬学や薬の世界に興味を持ち、自主的にそれ以外の工夫にどんなものがあるのかについて調べました。薬学部に入学すると添加剤や剤形の特徴について詳しく学ぶ講義があり、薬局で買い物をするときは成分表示を眺めるようになりました。私の薬学に対する興味はまだまだ尽きません。

自分自身の興味、そして未知の領域への挑戦

パソコンを操作し実験結果をまとめる大塚さんの姿

  「高大連携講座」では座学だけでなく実験講座も用意されています。実験に対する不安が少しありましたが、学生スタッフの方や大学の先生方が優しく教えてくださったので最後まで行うことができ自信がつきました。実験は苦手だった私ですが、今では薬学部の先生が行っているアロマの研究に興味を持ち、空いた時間に手伝いをさせてもらっています。近年アロマは医療に応用できるのではないかと注目されていますが、医療現場で安全に使用できるためには精油の様々な物性を知らなければなりません。しかし、まだまだわかっていないことも多く、未知の領域といっても言い過ぎではないと思います。私は今、主に精油の性質を調べる研究をしています。自分自身の興味があることに取り組めることはとても楽しく、快諾して協力してくださっている先生、優しい研究室の先輩方、そして大学の環境に感謝しています。

幅広く広がる薬学部卒業後の活躍の場

  将来私は、医療がより患者さんに寄り添ったものとなり、益々発展するよう頑張りたいと思っています。まだ治せない病気の治療薬を開発したり、今ある医薬品をより使いやすくなるよう工夫したりする研究職や、患者さんと直接関わり、患者さんが何を求めているかを知ることができる病院、薬局薬剤師など、薬学部卒業後、携わることができる分野・領域は幅広く、まだひとつに絞りきれていません。しかし、どの分野であっても薬学の基礎、先端医療等についてしっかり学ばなくては貢献することはできません。そのために今は、日々薬学を学び、知識や技能を積み重ねているところです。



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